NIGHT SKY ESSAYS

NIGHT SKY ESSAYS / Liz Story


先週からずっと星をみずじまいに来てしまいました。
あまり長いこと曇天が続くと
「あれ、どんな輝きだっけ」と完全にぼけた感覚になってしまいます。


というわけで気分だけでも星空に浸りたいと思うときは、
星空をテーマにした音楽を聞いて夜を過ごしたいものです。


1982年にウィンダム・ヒルからデビューしたリズ・ストーリー
2005年にダウンロードのみでリリースした『NIGHT SKY ESSAYS』
全12曲、獣帯、つまり黄道十二宮をテーマにしています。
それだけでも星好きには聞きたくなってしまうような内容です。


しかし、よくよく考えてみると、
この黄道十二宮をテーマにした作品は20世紀に入ってからで、
その前はほとんど存在していません。


宇宙が数学的な姿として解明され出した20世紀初頭、
それまでは神の存在が大きかった宇宙が、実は無機質と考えられるようになり、
それに呼応するかのように音楽の世界も無調の世界が広がりました。
シェーンベルグなど代表的な作曲家ですが、
こうした現代音楽と言われるジャンルの作曲家たちによって
無機質な宇宙に取り残された占星術のシンボルがテーマとして選ばれたと考えると、
なにか面白い気がします。