tupichancosmos2007-06-21


“私は『第8交響曲』を完成したところです。
 今まで作ったもののなかで最大のものです。
 それに内容、形式ともきわめて独特のものなので、
 それについて書くことができないほどです。
 大宇宙が鳴り、
 そして響きはじめることを想像してみてください。
 それはもう人間の声ではなく、
 天空をめぐる惑星であり、恒星なのです”


マーラーが弟子のメンゲルベルグに送った手紙の一節で、
交響曲第8番を、これ以上になく的確に言葉で表現したものではないでしょうか?


“これまでの私の交響曲は、
 すべてこの曲の序曲に過ぎなかった。
 これまでの作品には、
 いずれも主観的な悲劇を扱ってきたが、
 この交響曲は、
 偉大な歓喜と栄光を讃えているものです”


とも書いています。


1994年に始まったピエール・ブーレーズマーラーチクルス。
当初は器楽交響曲(6、7、5、9、1)のみレコーディングという話が、
あれよあれよという間に声楽付き(4、大地、3、2)を進め、
最後に残った大曲『千人の交響曲』をどうするんだろうと思っていたら、
今年の4月にベルリン国立歌劇場管弦楽団とコンサートを行いました。
もしやもしやと思っていたら、
グラモフォンのウェブサイトには2007年10月リリースという情報が出ました。


MAHLER: Symphonie No. 8
Sopranos: Twyla Robinson · Erin Wall · Adriane Queiroz
Altos: Michelle DeYoung · Simone Schröder
Tenor: Johan Botha
Baritone: Hanno Müller-Brachmann
Bass: Robert Holl
Choirs: Chor der Deutschen Staatsoper Berlin · Rundfunkchor Berlin · Aurelius Sängerknaben Calw
Chorus masters: Eberhard Friedrich · Johannes Sorg
Orchestra: Staatskapelle Berlin
Conductor: Pierre Boulez


Recording Information:
Recording: Berlin (Jesus-Christus-Kirche), 04/2007
Executive Producers: Valérie Gross & Ute Fesquet
Project Coordinator: Matthias Spindler
Producer: Christian Gansch
Recording Engineers (Tonmeister): Ulrich Vette & Hans-Ulrich Bastin
Assistant Engineer: Wolf-Dieter Karwatky


今まではクリーブランド、ウィーン、シカゴを振っていましたが、
今回はドイツ国立歌劇場管弦楽団
オケのスケジュールの都合でしょうか?
会場の都合でしょうか?
実は交響曲第2番もライヴDVDとしてこのオケを振って商品化しています。


いや〜それにしても。
完成させてくれましたね。「全集はしない」と言っていただけに嬉しいです。


しかし、3、2がブーレーズ本人のポートレイトでしたが
(それまでのジャケットシリーズ気に入っていたのですが、どうして止めたんだろう)
今回の8番も本人のポートレイトです。
ラヴェルのアルバム(歌曲集)で似た体裁のジャケットがありますが、
更におじいちゃんになったブーレーズです。
それにしても、おじいちゃんがジャケットになってもカッコヨク見えるのは、
クラシックの世界だけでしょうか?


10月が楽しみです。


ちなみに私のこの曲のフェバリットはショルティ/シカゴです。
マーラーバーンスタインブーレーズ
http://tupichan.net/JukeBox/Mahler.html


『コスモス』では交響曲第2番がエピソード2で流れます。
その話はまたいずれ…


http://tupichan.net/Cosmos/COSMOSbyCarlSagan.html