賑やかな春


「羽を取り巻く春の大三角、かみのけ、からす。そして火星と土星


冬休み初日。当初から晴れていたら思う存分星を眺めに行くかー
と、決め込んでいたので大樹が寝息を立てたのを確認してから家を抜け出しました。
車のフロントガラスはお湯を掛けても直後に凍りだす始末。
寒そうです。


しかし、一度外へ出てしまえば寒さとうまくつきあって気持ちいいぐらいに寒さがわかりません。
(もしかして感覚が無くなっているほどヤバかったとか?)


レイチェル・カーソンが『沈黙の春』に詠った景色ではなく、
冬眠から目覚めようとしている獣たちが冬の星座たちを押しのけて東の空から勢いよく昇り始めています。その圧倒的な姿にしばし言葉すら忘れてしまいました。


特に今年は3月に接近する火星の存在がしし座の位置と相まって威光を放っていました。
しし座の足もと、さらに南に下ってしまうと、
古代人の知恵の結集ともいうべきうみへび座が臼井の灯りに飲み込まれてしまっていますが、
今日の空では頼りにできそうです。


♬ ♪


深夜2時過ぎ。
パトカーがやってきました。


「何してんのー」
「写真撮ってるんです、星の」


一人が頭上を見上げてくれました。


「もう撮り終わったから帰るところです」
「そっかー、良かった。じゃなきゃ邪魔しちゃうところだったねー」
「大丈夫ですよ」
「じゃー、氷点下まで下がっているから気をつけて」
「深夜のパトロールご苦労様です」


当初は深夜、畑のど真ん中でカーステレオ(ベートーヴェンの弦楽トリオ)を
お供にシャッターを切っていたから、
どこからか苦情でも上がったのかと思ってしまいました。
とは言っても人家は数キロ先まで無いところです。


暖のつもりで持参した湯たんぽも冷たくなっていました。


☆ ☆

昨日は見事にフラれた結果になってしまったので、
改めて今日の夕方は早めに出かけてきました。
ヴィーナスとダイアナが並ぶ姿に誰もが見とれたことでしょう!